約3年前に痔瘻(じろう)の手術をしました。
診察に行くのも、痔の手術で長期の休みをもらうのも恥ずかしい気がしていました。
しかし、あの時素直に治療して良かったなとつくづく思います。
目次
- 痔とは
- 市販薬で治るか
- 病院の選び方は
- 手術の内容は
- 術後の経過は
痔とは
肛門の病気です。大きく分けて3種類「いぼ痔・きれ痔・あな痔」です。
それぞれ医学用語では「痔核(じかく)・裂肛(れっこう)・痔瘻(じろう)」というそうです(以下、痔ろう)。
私が手術したのが痔ろうです。
私の場合は、時々患部が腫れました。ちょっと痛いものの出血はありません。その腫れは気付は引いています。
みっともないのはパンツが汚れることでした。ちゃんと拭けてないのかな?と強く拭いたりもしましたが原因は拭き方ではありませんでした。
痔ろうとは肛門の本来の穴とは別の穴があいてしまう病気です。
肛門の内部が炎症を起こし、それが度が過ぎて貫通するのです。
ひどい痔ろうだと貫通もせず複雑にくねって穴が深くなることもあるそうです。
市販薬で治るか
肛門の一部が腫れていましたので、「これはいぼ痔だろうな」と思っていました。
ドラッグストアでボラギノールを購入して説明書のとおりにしばらく使用しました。
しかし、結果から言えば効果なし(かゆみが抑えられる程度)。
それもそのはず、ボラギノールの説明書にはこのように記載されています。
ボラギノールA軟膏
効能・効果:いぼ痔・きれ痔(さけ痔)の痛み・出血・はれ・かゆみの緩和
そうです「痔ろう」は含まれていません。
病院の選び方は
ボラギノールも安くないし、まったく治らないのも気持ち悪いし恥ずかしさをこらえて病院に行こう、と決意しました。
ちょうどそのころ親せきで痔の手術をした方がいて、近くに痔の治療で名高い先生がいるということを聞きました。
さっそく診察に行きました。
診察してもらって先生からひと言「最悪のやつだね。手術の実施は確定だからあとは日程の調整だね。」と言われました。
冗談だろ?と思いました。生活に困るほど痛みもないしなんで手術が確定なのか、その時は理解できませんでした。
どうやら「痔ろう」は自然治癒は望めないそうです。市販薬も効果がありません。
そして放置しつづけると「ガン化」することがあるそうです。
「痔ろうだな。わかる?痔ろう?」と問われて「わかりません」と答えたところ「勉強不足だな、ちゃんと勉強しなさい」と怒られました。
その時は、いきなり手術必須だと言ったり、勉強不足を指摘したりとなんだか変な先生だなと思いました。
しかしその後の診察や勉強会(痔について勉強させられる)を経験するにつけ、これは信用できるな、と思うに至りました。
痔にまじめに取り組んでいる先生でした。
<参考>
かつて痔の手術はテキトーに行われていたそうです。
昔から外科手術の花形は心臓手術。そして昔は痔の専門家はいなかったそうです。
そんな中でも痔はあります。そうなると専門ではない先生がかた手間で痔の手術をやっつけていたそうです。
肛門の一部が健全でなくなってる、だったら除去すればいい、とばかりにただ切り捨てて縫合していたそうです。
しかし、肛門はデリケート。痔の症状がなくなる代わりに排便に苦労する患者が続出したそうです。
自力で排便ができなくなり、一生を腰に袋をつけての生活となった方もいらっしゃるらしいです。
※先生の話を私のうろ覚えの記憶で記載しています、間違っていたらすみません。私が冗談を真に受けたが、記憶が不正確なせいです。
病院の評判を調べましょう。きちんと説明のある病院がいいでしょう。
間違っても「日帰り手術をやってくれるから」などという理由のみで選んではいけません。
痔というと恥ずかしい思いもします。こっそり治療できればそれがいいようにも思えます。
しかし、肛門は大切です。いい加減な治療でその後の人生の質を落とすことがあってはいけません。
納得の行く病院を選びましょう。
手術の内容は
シートン法なる手術を行いました。
痔の手術で大切なのは肛門括約筋の損傷を最小限に抑えること、再発させないこと、だそうです。
シートン法は切除領域が狭く、自己治癒力を利用しながらの手術+療養なので括約筋の損傷を最小限に抑えられます。
その分治療には時間がかかります。
ただし手術自体はものの10分もせずに終了しました。
術後の経過は
シートン法では手術にて肛門に輪ゴムを取り付けます。
この取り付けた輪ゴムの張力が痔ろうを直します。
しかし治るに従った輪ゴムがゆるくなるので定期的に診察と輪ゴム締めが必要です。
私は1か月程度で輪ゴムが取れました。
その後も生活に支障なく、現在では3年が経過しています。
生活の質が向上し、そして痔を抱えたままの状態の不安も解消しました。
あの時手術をしてよかったとつくづく思います。
もしあなたも悩んでいたら一度、勇気をだして診察してみることをオススメします。
私は術前、入院、術後を時間をかけて治療して現在の安心を得ています。
日帰り治療を売りにしている病院もありますが、個人的にはじっくり治療する方が長い目で見て幸せだと思います。
「痔の手術するので長期休暇ください」というのが恥ずかしいばかりに、無理に日帰り治療をして、
そして、今後一生肛門がちょっと緩いままになる、そんな未来は避けたいものです。
私は日帰り治療の経験はないし、もしかしたら患部の状態によっては日帰りも可能かもしれません。
勇気をもって診察に出向き、焦らず治療することがベターではないかと私は思います。