エンジニア界隈で評判が良いとのことで「ピープルウェア」を読んだ。
今後管理系の役割を仰せつかることもありそうだったのでメンバーのやる気や、職場環境について興味があったため購入。
ピープルウェア ヤル気こそプロジェクト成功の鍵(Peopleware)
トム・デマルコ/ティモシー・リスター 著
もくじ
- どんな人にオススメ?
- どんな内容?
- 感想
どんな人にオススメ?
職場環境に疑問がある人、これから管理職になる人、これからオフィスの席替えやフロア移転を考えている人。
こんな方たちに有益と感じました。
どんな内容?
システム開発を行うチームが快適に能力を発揮するため、させるために効果のある考え方。
または反面教師的にチームの力を削ぐ方法などが紹介されています。
海外の書籍らしくユーモア(時にはブラックな)をまじえた鋭い指摘が満載です。
オフィス投資を節約すると
(略)まともな管理者であれば、プログラマーの生産性が低下しないという見極めがないかぎり、騒々しくて狭く、安普請で、落ち着きのないオフィスへの移転は考えもつかない。(略)生産性に対する配慮を全く欠いたオフィス変更は、プログラマーの作業環境に無関心・無責任であることを、自ら喧伝しているようなものだ。
かつて派遣エンジニアをしておりました。オフィス環境は考えてみればよくないことが多くありました。
となりの席との距離が近かったり、境界線があいまいだったり、すこしイスをさげると後ろの席のイスにぶつかったり。
トイレがすくなかったり。外が見えなかったり。
職場というのはテトリスのように従業員をはめ込むのが当たり前だと思っていました。
この本では職場環境で少々の経費を節約するよりも、職場を快適に整備し生産性を向上させることに価値を見出しています。
またオフィスを移転しなくても備品の配置で快適さを得る考え方も紹介されている。
チーム殺し、7つの秘訣
(略)それをチーム殺しと名付けた、要約すれば次のものである。
- 自己防衛的な管理
- 官僚主義
- 作業場所の分散
- 時間の分析
- 品質低減製品
- さばを読んだ納期
- チーム解体の方針
チームで一致団結、切磋琢磨して問題解決にあたる。そんな理想はありますがあまり実践できた試しがありません。
よいチームを作る方法に正解がないので、この本では逆説的にチーム殺しの秘訣を紹介しています。
感想
古い本です。初版あとがきが1987年5月となっています。
古い本ではあるものの現在でもあてはまる考え方、いまだ解決できていない問題が多くあり考えさせられます。
内容的にさすがに古いな、という記述も多くありますがこれは当然なので、昔はこういう認識だったんだなと思いましょう。
日本のシステムの品質が非常に高いと書かれていました。
長年にわたって多くのエンジニアに支持されている本だけあって、普遍的な問題やその対処法が多く詰まっているなと感じました。